【水戸一志 選/評】
◎五七五はもちろん川柳の意。日常生活や国内外の動きを注意深く観察し、五七五の17音字で世の中の今を表現する。簡単なようで難しい。作者は、「見ているぞ」の五文字で、川柳の本質を自分に言い聞かせている。
===
◎ 見ているぞ五七五で世の中を (石巻市向陽町・佐藤功)
歳かさね年号三つ渡り初め (石巻市駅前北通り・津田調作)
耕運機エンジン音がスキップし (東松島市赤井・片岡シュウジー)
春いいね!花粉なければもっといい (石巻市大街道・岩出幹夫)
出不精に春の息吹が手招きし (石巻市蛇田・梅村正司)
待ってねとレンジに話すわれ独り (角田市角田・佐藤ひろ子)
乗りません詐欺の揺さぶる口車 (石巻市桃生町・忖度放恣)
十一万超えた署名もゴム風船 (石巻市蛇田・菅野勇)