コラム:元号

 4月1日の発表以来、新元号「令和」をめぐって、国民はもちろん各種メディアで意見・感想が論じられ「令和フィーバー」が続いています。

 「元号」を英語でどう表すか... 新元号発表後の海外の報道を調べたところ、おおよそ"era name"、"name of an era"、"imperial era name"の三つであることが分かりました。

 era(「イーラ」のように発音)は、あまり聞き慣れない言葉ですが「時代」「時期」を表す英語です。たとえば「冷戦時代」は the cold war era、また、a fish market in Japan's Edo era と言えば、「(江戸時代の)魚市場」を表します。

 このたびは三つ目の"imperial era name"と英訳するのが適切でしょう。imperial(インペリアル)は「皇帝の」「帝国の」という意味。来る5月1日、即位の礼によって現皇太子殿下が天皇の位につき、それとともに「平成」から「令和」という新元号になるのですから。

 ちなみに、imperial は emperor(エンペラー=天皇)の形容詞形です。ご存知のとおり、「一世一元」となったのは明治の改元からで、それまでは必ずしも元号と天皇の在位の期間は同一ではありませんでした。

 さて、新元号「令和」ですが、海外メディアでどう英訳されているかを2、3ご紹介しましょう。

 イギリスBBC放送は"order and harmony"(秩序と調和)、米紙ニューヨーク・タイムズは"auspicious harmony"(縁起のよい調和)、米AP通信は"pursuing harmony"(平和を希求する)などとなっています。

 外務省は「令和」を外国政府に英語で説明する際、"Beautiful Harmony"(美しい調和)と伝えると発表しました。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)