コラム:AI

 「天気予報はよく当たる」...最近つくづく思います。テレビやインターネットの1、2時間おきの予報はかなり正確です。それは人工知能(AI)の導入によるものだと知りました。気圧や温度などは関係なく、過去3年分の雨雲の画像を学習。そして、雨雲が時間とともにどう変化するのかパターンを導き出すのです。90%の確率で降水予測が可能と言われています。

 今や社会生活のさまざまな場面で導入されているAIですが、これは英語の Artificial Intelligence の頭文字をとったものです。artificial(アーティフィッシャル)は「人工の」という形容詞、Intelligence(インテリジェンス)は「知能」を意味します。

 artificial は art と関係がありそうに思われるでしょう。art という英語は通常「芸術・アート」と訳されていますが、「技(わざ)」という意味も含む言葉です。たとえば、art of speaking「話す技術」など。つまり art は「自然」に対して、「人為・人工」という色彩を帯びているのです。

 一方、Intelligence は「インテリ」というカタカナ語でお馴染みですが、これは「知識階級」を意味するロシア語「インテリゲンチャ」に由来します。いずれにせよ、「知」を表すラテン語から派生した言葉です。

 昨年12月のデビュー戦から無敗を続け、ついに公式戦最多連勝記録を達成した将棋の最年少棋士・藤井聡太七段。その強さの背景にはAIの活用があるとみられ、「AI時代の申し子」と評されています。

 <人間の「知」 vs. AI>がこれからどう展開してゆくのでしょうか?

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)