コラム:マンガとアニメ(下)

 日本アニメは今や世界から評価され、わが国の誇るべき文化となっていると言っていいでしょう。

 第2次世界大戦後、世界の名作童話を原作に、ディズニーがアレンジを加えたものが日本でも公開され、人気を博しました。1937年製作の「白雪姫」( Snow White and the Seven Dwarfs = 白雪姫と7人の小人)は、世界初のカラー長編アニメーションで、現在でもアニメ史に残る傑作とされています。

 子どもの頃、私は石巻で唯一の洋画上映館・テアトル東宝に通い、「白雪姫」をはじめ「ピノキオ」や「101匹わんちゃん」などに魅了された一人です。

 さて、「アニメ」は英語の animation に由来します。「アニメ映画」は animated film と言います。この animate という言葉から連想されるのは animal 、つまり「アニマル=動物」です。さらに語源を探ると、「魂」や「息」(breath)を意味するラテン語 anima に行き着きます。動物には魂があり息をして生きているというわけです。

 「アニメ製作者」のことを「アニメーター」(animator)と言いますが、なるほど、絵に魂を入れる仕事をする人ですね。

 また、日本には古来から山や川など自然の中に精霊や魂、神様が宿るという考え方があります。これは「アニミズム」(animism)と呼ばれる思想ですが、たとえばスタジオジブリ作品の「千と千尋の神隠し」では、八百万の神そのものが作品の中に登場します。

 アニメは単なる動画ではなく、けっこう奥の深いものなのですね。

大津幸一さん(大津 イングリッシュ・スタジオ主宰)