「而今(にこん)」という禅語があります。過ぎ去った昨日や生きている保証もない明日にこだわらず「今」この瞬間を精一杯に生きることの大切さを説く言葉です。
Apple の創業者・故スティーブ・ジョブズもこう述べています。" If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today? "(もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは、本当に自分のやりたいことだろうか?)
今日を人生最後の日として生きる...まさに至言ですが、なかなかこのようには生きられないのが凡人の私です。
さて、これに近い英語の表現があります。" Now or never "(今、さもないと決して...ない)。つまり「今こそ絶好の時だ」。
エルヴィス・プレスリーの" It's now or never."(1960年)は有名ですが、アイドルグループ「嵐」の歌に「NOW or NEVER」という曲があることも知りました。
この" Now or never "というフレーズは「好機を逃すな」「この機逸するべからず」といった駆け引き上の警句として用いられることもありますが、私は冒頭で記した「今、ここ」に全てをかけて生きるという禅の教えに共感します。
なお、相田みつをさんの言葉の英訳版「いま ここ」" The Here and Now "という本があります(ダイアモンド社、1996年)。ご参考までに。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)