【水戸一志 選/評】
◎長い梅雨が明け青空が戻った。外に出た幼児が、水たまりでピチャピチャ遊んでいる。その時、水面に映った雲に気付いたのだろう。足元を見て「雲に乗った」とはしゃぐ様子を、童心に帰って受け止めている。一句に仕立てた喜びが伝わる。
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◎ 水たまり雲に乗ったと靴見る子 (石巻市蛇田・佐藤久子)
新議員じゅうたん踏むも初志だけは (石巻市三ツ股・浮津文好)
入るのは勝手知ったる刑務官 (石巻市大街道・岩出幹夫)
防潮堤砂無し海に夏も無し (石巻市開北・安住和利)
夏休み今朝も親子の一、二、三 (石巻市美園・澤谷昭子)
勝ちか負け隣の国とオセロやり (石巻市向陽町・佐藤功)
入選用切り抜き鋏おおあくび (東松島市赤井・片岡シュウジー)
暑気払いチュウハイ重ね冷気待つ (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)