このたび「石卷発全国へ」の本が刊行されました。写真集「よみがえる1951」"1951 Reborn"(三陸河北新報社)です。米国軍医のジョージ・バトラー( George Butler)大尉がキャンプ松島(現航空自衛隊松島基地)に駐留した1951(昭和26)年に撮影した写真を掲載。英文の説明に、郷土史研究家・辺見清二さんが日本語で懇切丁寧な解説を加えています。
あの頃を生きた人々にとっては懐かしい写真の数々であり、若い世代にとっても70年ほど前の石巻地方の風景について新鮮な驚きを与えてくれる一冊でしょう。しかも、軍医の冷静かつ温かい目で、そして当時としては珍しいカラーで。
また、これは石巻地域に限定されたものではないと私は思うのです。トタンと板塀の家々、舗装されていない道路を行き交う荷馬車、紙芝居屋に集う子どのたち...これは、おそらく全国の地方に共通した光景ではないでしょうか。冒頭、「石巻発全国」と記したゆえんです。
当時、私はまだ幼い子ども。しかし、子ども心にもさまざまなことを記憶しています。その一つが「チョコ」。
私の住む街に「アメリカの兵隊さん」を乗せたジープがやってくると、皆で取り囲み手を差し出して「ギミーチョコ!」「チョコ!」。これは戦後の世相のキーワードとしてよく知られています。もちろん Give me chocolates! を簡略化したもの。give me と早口で発音すると、give の ve が発音されずに gimme になるのです。
ちなみに英国のロックバンド「ローリング・ストーンズ( The Rolling Stones )」の代表曲に" Gimme Shelter "(避難場所をくれ)というのがあります。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)