コラム:涙の訴え 温暖化サミット

 「今、内外のメディアを最もにぎわしている言葉は何だと思う?」
 先日、友人からこのように問われ、一瞬答えに窮しました。
 「『地球温暖化』ではなかろうか」と友。

 9月23日にニューヨークで国連の「気候行動サミット」( UÑ Climate Summit in New York )が開かれ、77カ国が温室効果ガスを2050年に実質排出ゼロにすると誓いました。メディアが大きく報じたのは、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)。壇上から涙ながらに訴える映像が世界を駆け巡りました。

 " We are in the beginning of a mass extinction and all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth. How dare you! "
 「私たちは大量絶滅の危機に瀕しています。なのに、あなた方が話すことはお金のことや永遠に続く経済成長のおとぎ話ばかり。よくもそんなことを!」(大津拙訳)

 " How dare you! "は「よくもそんなことを平気で言えるわね!」といった意味で、映画などでよく出てくるセリフです。この演説の後、米FOXテレビの番組で評論家マイケル・ノウルズ氏が「(彼女は)精神的に病んでいる」などと述べ、FOXは謝罪に追い込まれました。

 最後になりましたが、キーワードとなる英語を二つほど。

 「地球温暖化」は global warming 、「温室効果」は greenhouse effect 。「温室」を greenhouse(緑の館)と表すのには最初驚いた記憶があります。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)