【水戸一志 選/評】
◎自分を飾りたい、自慢したいと思うのは人の常。だから、たかが立ち話でも、相手ペースのままではつい対抗心が湧くというもの。かなわぬ事柄に、連れている愛犬の自慢で応じるなど、いかにもありそうな話だ。正直で結構。煩悩は捨て難い。
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◎ 自慢話何もないのでイヌ自慢 (石巻市蛇田・大山美耶紀)
大寒が上着を脱いでやってきた (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)
竹やりで戦地に向かう護衛艦 (東松島市矢本・畑山講也)
連泊中メーク忘れる美人の湯 (石巻市蛇田・佐藤久子)
薬飲む夫の仕草義母(はは)に似て (東松島市矢本・遠藤恵子)
再稼働不安なペダル踏む準備 (石巻市桃生町・忖度放恣)
横綱が絶滅危惧になる予感 (石巻市あゆみ野・日野信吾)
靴底のしなり規制に走り出し (東松島市赤井・片岡シュウジー)