コラム:マスク

 昨年12月、中国の武漢市を中心に新型コロナウィルス( corona virus )を確認。以来、感染が広がり、世界的な流行「パンデミック」( pandemic )の様相を呈しています。国外の感染者は中国を中心に3万人を超え、日本国内の感染者もしだいに増えつつあるようです。

 「マスクが買えない」...首都圏の友人・知人から信じられない声が寄せられます。報道によれば、全国的に品薄なのに加えて訪日外国人(インバウンド)による買い占めが拍車をかけているとのこと。例年この時期、インフルエンザ予防でマスク姿の人を見かけるのは珍しくないのですが、今年は多い感じがします。

 昔、欧米を旅しているときに、マスクをしている人を見かけることはほとんどありませんでした。一方、日本では夏でも見かけます。朝の散歩でご夫婦がそろって帽子にマスクというのも珍しくありません。私たち日本人の国民的習慣かも。

 さて、「マスク」は英語で mask と綴(つづ)りますが、この言葉が女性の皆さまお馴染みの「マスカラ」mascara と同じ語源ということはご存知でしょうか?

 この mascara は「覆う」という意味のイタリア語「 maschera(マスケラ)」が語源。「覆う」は「隠す」ことにつながります。そうすると、思い起こすのが「マスカレード」masquerade。すなわち「仮面」「仮面舞踏会」、時には「見せかけ」「偽り」を意味する言葉です。女性の皆さん、マスカラで何をお見せになるのでしょう?

 最後に「ダイアモンド・プリンセス号」...一昨年9月から2回、石巻に入港し街をにぎわせたあの船です。TV画面にその雄姿が映るたびに、「何とか早く落ち着いて」と祈る毎日です。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)