「石巻かほく」川柳の2019年度の年間最優秀賞に、鈴木醉蝶(すいちょう)さん(81)=石巻市蛇田=が選ばれた。優秀賞は新沼勝夫さん(81)=同市不動町=、片岡シュウジーさん(77)=東松島市赤井=、菅野勇さん(82)=石巻市蛇田=の3人に決まった。選者の水戸一志さんが1年間の投句を基に選出した。
■ 受賞者の声/鈴木さん「新聞が情報源」 思わぬ受賞の栄に恐縮しています。水戸先生には丁寧なご教示を頂き、感謝申し上げます。これからがスタートラインであり、プレッシャーも感じています。
新聞は情報源の最たる物で作句に欠かせません。休刊日は寂しい限りです。
拙句「休刊日それでもポスト覗(のぞ)きみる」。日頃は入選常連者の句に刺激を受け、くらげ吟社で月1回学びます。一門の皆さまにおかげさまでしたと伝えたいです。
■ 選者から/水戸さん「偏りない視点」
年間成績は入選句の得点(佳作1点、◎2点)の累計を基本にした。ただし、最優秀賞だけは発足からまだ3度目の表彰であることを考慮し、過去2回の受賞者を対象外とした。
鈴木醉蝶さんは当欄発足時からの常連作家。時事吟を得意とし、世界、国内、地域のニュースに対する偏りのない目配りが、入選数を稼ぐ力になっている。「◎私にも意見聞いてと美術館」(2020年1月26日)を特に褒めたい。新聞の投書欄に度々登場している県民の関心事だが、当欄では数少ない投句だった。テレビの全国版だけが時事吟の素材ではないことを、他の投句者も見習ってほしい。
優秀賞の3氏も安定した力の持ち主。素材に安心せず、発想の転換、一句の表現力をさらに磨いてほしい。