【水戸一志 選/評】
◎春の選抜高校野球大会の中止が決定した後、仙台育英の選手に監督が背番号を手渡すシーンがテレビに流れた。監督の気持ちは、まさにこの句の通りだと思う。選手の生涯で最も貴重な背番号になると予感させる、コロナ騒動の側面。人生はドラマだ。
===
◎ 悔しさをバネにがんばれ夏がある (仙台市青葉区・吉田真一)
マスクかけ自転車の子に春一番 (東松島市赤井・まんだきほ)
どこにいりゃ安全なのよ新コロナ (東松島市矢本・菅原れい子)
あつものに懲りて図書館まで閉鎖 (石巻市三ツ股・浮津文好)
ウイルスを避けて炬燵で丸くなる (石巻市鹿又・遠藤錬治)
恐妻といえど代われる人はなし (東松島市大曲・添田潤)
オイ老化俺にだまって先行くな (石巻市門脇・荒間草海)
国難を国技で祓う大相撲 (石巻市蛇田・菅野勇)