川柳(5/3掲載)

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【水戸一志 選/評】

五月の風に泳ぐ鯉のぼりは最も日本らしい光景の一つ。大きな親鯉の下で青い子鯉がじゃれつく姿は、家族の幸せを象徴するかのようだ。しかし、この句(◎)からは希望の裏に、東日本大震災で犠牲になった子どもたちへの慰めを感じる。「見えるかい」と。

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◎ みじかくも強くと青い鯉のぼり  (石巻市築山・飯田駄骨)

  通学路いまはジジババ歩く道  (東松島市野蒜ケ丘・雫石幸市)

  ピカピカのままで待機のランドセル  (東松島市赤井・秋田小桃)

  ファーストレディあちこち跳んでし放題  (東松島市矢本・川崎淑子)

  四十周年地域のニュースありがとう  (石巻市蛇田・菅野勇)

  お返しに手作りマスク送ります  (東松島市矢本・遠藤恵子)

  堂々とこれから鯨食べられる  (石巻市桃生町・高橋冠)

  今だから坂本九を歌いたい  (石巻市あゆみ野・日野信吾)