川柳(6/14掲載)

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【水戸一志 選/評】

◎地面を突き破ってグイと伸びるタケノコの勢いと、長引くコロナの自粛ムードを対比させた。難しい言葉は何一つなく、表現も単純。それでいて、何もせずゴロゴロしている自分への反省もにじむ。旬のタケノコに対する旬の視点が句を光らせている。

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◎ 筍(たけのこ)はコロナを突いて伸びてくる  (石巻市桃生町・高橋冠)

  船出せず経済止まる港町  (石巻市水押・阿部磨)

  忖度のあご出しマスクちらほらと  (仙台市青葉区・吉田真一)

  軒下のツバメの糞に夏来たる  (仙台市青葉区・鈴木邦雄)

  父の日の父をまあるく描きました  (石巻市開北・よしのやまももゑ)

  引き抜いた草の根っこにターマヤー  (東松島市赤井・片岡シュウジー)

  三密がゆるみ折り込みドンと増え  (石巻市鹿又・遠藤錬治)

  駆除をするてんとう虫に恨みなし  (東松島市赤井・斎藤喜久子)