【水戸一志 選/評】
◎地面を突き破ってグイと伸びるタケノコの勢いと、長引くコロナの自粛ムードを対比させた。難しい言葉は何一つなく、表現も単純。それでいて、何もせずゴロゴロしている自分への反省もにじむ。旬のタケノコに対する旬の視点が句を光らせている。
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◎ 筍(たけのこ)はコロナを突いて伸びてくる (石巻市桃生町・高橋冠)
船出せず経済止まる港町 (石巻市水押・阿部磨)
忖度のあご出しマスクちらほらと (仙台市青葉区・吉田真一)
軒下のツバメの糞に夏来たる (仙台市青葉区・鈴木邦雄)
父の日の父をまあるく描きました (石巻市開北・よしのやまももゑ)
引き抜いた草の根っこにターマヤー (東松島市赤井・片岡シュウジー)
三密がゆるみ折り込みドンと増え (石巻市鹿又・遠藤錬治)
駆除をするてんとう虫に恨みなし (東松島市赤井・斎藤喜久子)
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