コラム:GoTo 考

 「GoToトラベルキャンペーン」から始まって「GoToイート」「GoToイベント」と、今や「GoTo」は街の中にあふれています。この言葉が登場したのが今年の夏。GoToトラベル( travel )は文法的に誤りであるとする専門家の指摘が寄せられ、以前小欄でも話題にしました。

 今回はそのようなことではなく、go to という英語そのものについてです。

 go to という言葉を最初に覚えたのは、子どものころ聞いたこの歌です。

 " This is the way we go to church, go to church, go to church...
  this is the way we go to church every Sunday morning..."
 (教会にはこうやって行くんだ、こうやって毎日曜日に)

 うなずいているご同輩もおられるでしょう。

 " go to church "とは、「お祈りに行く」と意味です。アメリカのTVドラマで日本でも人気を博した「大草原の小さな家」( Little House on the Prairie )で、日曜日の朝に子どもたちが一張羅(いっちょうら)を着て、両親と馬車で町の教会に行く場面がありますが、あれは毎日曜日の慣習です。

 もし、新しくできた教会を見に行くとか「建物としての教会へ行く」場合は、冠詞 a あるいは the  を付けて、go to a/the church などとなります。

 同じように、" I go to college."。これは「大学へ行く」というよりは、「私は大学生です」という意味を表します。つまりは、その建物や場所が持つ機能に焦点が置かれ、そこで行われること(教会では「礼拝」)を意識した場合に a や the を付けないことがあるのです。

 さて、前述の「一張羅」について。 best clothes のほかに Sunday best という英語があります。まさに日曜日に教会に着てゆく「晴れ着」。日本の「七五三」の神社詣での際のいでたちと似ていますね。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)