菅新首相が座右の銘としているのが「意志あれば道あり」とのこと。
" Where there's a will, there's a way. "
よく知られた英語の名言ですが、第16代アメリカ合衆国大統領のリンカーンの言葉という説もあります。要するに「やる気」があるかどうかということでしょう。「コロナ禍」をはじめとする多難な時代、菅首相の率いる内閣が公僕( public servant )として国民のためにテキパキと仕事をこなしていけるかに注目したいと思います。
さて、菅氏についてメディアが私的なことも含めてさまざまに報じていますが、その中のいくつかの言葉について「いんぐりっしゅ」との関係で探ってみましょう。
まず、政治家には珍しく「下戸」とのこと。「下戸」の「戸」とは古(いにしえ)の「律令制において婚礼の際の酒量を決めたことに由来し、酒をよく飲む人を「上戸」と言うのはご承知の通りです。英語で「下戸」は普通 no-drinker と表します。
菅氏の場合、海外でのレセプションで乾杯程度は飲むでしょうが、先方には「甘党」というのが伝わっていて、テーブルには秋田産のイチゴが乗った「パンケーキ」が置いてあるかも。この「パンケーキ」、子どもの頃、わが家ではもっぱら「ホットケーキ」でした。「パンケーキ」は「パン( pan =底の平らな鍋)で焼いたケーキ」で、ホットケーキはパンケーキの一種とのこと。
また、菅氏について「たたき上げの人」と報じられていますが、辞書などには self-made man とあります。「自ら自己をつくり上げた人」ということですが、鍛冶屋で熱せられた鉄をハンマーで鍛えるような「たたき」という語感が伝わってきません。とはいえ、どう表したらいいか。今のところ名案が浮かびません。
東北出身の同世代として親しみを覚える菅さんですが、今後の「意志あれば...」精神に期待したいところです。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)