英語を習いたての頃、何でも英訳したい気持ちに駆られました。
手始めに自分の苗字「大津」を。「大」は Big あるいは Large でいいのですが、「津」が訳せません。というより、そもそも「津」という漢字の意味が分からなかったのです。「英語読みの日本語知らずになるなかれ」という教えがありますが、まさにそれ。若輩ながら、とても恥ずかしい気持ちになりました。辞書を見たら「津」は「船舶の碇泊する所」「港」を意味するとのこと(広辞苑第7版)。なるほど地名に「焼津」「唐津」などがある。「港」を表す英語は主に二つ。harbor と port。「大津」は Big Harbor もしくは Big Port...後者の方が簡潔なので、Big Port にしました。名前の「幸一」は Happy One とし、自分の英語名を Big Port Happy One と「命名」したしだいです(今では、Happy One が自他ともに認めるニックネームになっていますが)。
私はかねがね授業で「英語を学ぶことは日本語を振り返ること」と説いてきましたが、この考えの原点はまさに上記の苦い経験にあります。
さて、英語の苗字には面白い起源のものがあります。いくつか紹介しましょう。
Brown:顔や髪の色が茶色の人
Carter:運び屋
Clark:聖職者、書記
Cooper:桶やバケツを売っていた人
Green:緑の多い村や草地に住んでいた
Hill:丘の上に住んでいた
Lee:森の中の開けた場所に住んでいた
Parker:狩場(park)で番人をしていた
Stewart:建物や不動産の執事
Turner(ターナー):革を使った仕事をする人
White:肌や髪の色が薄い人。
職業や住んでいた場所に由来するとは面白いですね。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)