コラム:未曾有の出来事ー米国議事堂襲撃事件

 去る1月6日、コロナ禍の中、アメリカはどうなっているかとCNNテレビに切り替えた時、現れた映像に驚きました。いったい、どこの国の出来事かと。

 白亜のドーム、アメリカの連邦議会議事堂( Capitol )に蟻のように群がるトランプ支持者。やがて、TVカメラは窓を押し割って中に入ろうとする暴漢たちの姿を映し出します。当日、議事堂ではバイデン次期大統領とハリス次期副大統領の勝利を最終認定する予定でした。

 この日の朝、抗議デモ参加者はホワイトハウス近くで" Save America "(アメリカを救え)という集会を開き、トランプ大統領が演説。「選挙の勝利は極左の民主党の連中に盗まれ、さらにフェイクニュースのメディアによっても盗まれた」。その上で...

" Walk down to the Capitol ... We fight like hell. And if you don't fight like hell, you're not going to have a country anymore ... I would march with you to the Capitol ... "
「議事堂へ向かおう ... 死ぬ気で闘うのだ。そうしないと国は終わりだ ... 私も一緒に行こう ...」

 下院議長室に乱入した暴徒の一人が残したメモ。

" We will not back down "
「我々は引き下がらない」

 アメリカ史に大きな汚点を残した事件となりました。

 とはいえ、バイデン次期大統領( President-elect )が静かに語った次の言葉に希望が見出せますね。

" The work of the next four years must be the restoration of democracy, decency, honor, respect, the rule of law ... "
「次の4年間は民主主義、品位、道義心、敬意および法の支配を取り戻すことに専念しなければならない」

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)