コラム:星条旗は翻るーアメリカ国歌

 バイデン新大統領の就任式では、恒例により国歌が奏でられました。軍楽隊の演奏とともに、Diva(歌姫)レディ・ガガ(Lady Gaga)が声高らかに歌い上げ、式は厳かな中にも華やいだ雰囲気に。

 この国歌はスーパーボウル(Super Bowl)などの大きなイベントで歌われお馴染みですが、歌詞については、よく知らないという方が多いのでは...(実は私も最近までそうだったのですが)。

 正式な名称は「星条旗」(The Star - Spangled Banner/スター、スパングルド・バナー〔pangled :散りばめられた〕)。

 1812年に勃発した米英戦争の史実に基づいています。1814年9月、ボルティモアのマクヘンリー砦での出来事。詩人のフランシス・スコット・キー(Francis Scott Key)は夜を徹して続いた英国海軍の砲撃に耐え抜いた砦の上に、星15個、縞15本の星条旗が翻っているのを目撃。すぐさま、その感動を書き留めたことに由来します。

 最初の部分だけ記すと...


 Oh, say can you see, by the dawn's early light,
 What so proudly we hailed at the twilight's last gleaming?

 おお、見えるだろうか、夜明けの薄明かりの中、我々は誇り高く声高に叫ぶ
 黄昏の最後の輝きに向けて

 「国歌」は英語で National Anthem(ナショナル・アンセム)と言います。anthem は元々は教会音楽の一種でしたが、特定の集団のシンボルとしての定番曲を意味するようになりました。

 "Ladies and gentlemen, National Anthem"と、開会式などで司会者の独特の渋い声が会場に響き渡ると、一瞬厳粛な気持ちになりますね。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)