コラム:リバウンド

 緊急事態宣言が解除された後、新型コロナウイルス感染者数が各地でリバウンド(再拡大)しています。宮城県内でも急速な拡大を受けて、行政や医療現場が対応に追われている昨今です。

 この「リバウンド」というカタカナ語ですが、どこかで聞いたことがある...少し調べてみたところ、バスケットボールでシュートミスによってゴール板などに弾(はじ)かれたボールをつかみ取ること、および味方の選手に弾くことだそうです。また、「リバウンド」はダイエットでもお馴染(なじ)みですね。

 「リバウンド」は英語の rebound(跳ね返り)から。「後ろ」を表す re- と bondir「跳ねる」に由来し、原義は古フランス語で「押し戻す」とのこと。コロナ禍の「再拡大」も、新聞・テレビでその感染者数の推移を示す折れ線グラフを見慣れた目には、まさに「跳ね返り」だと納得がいきます。

 bound(バウンド)というと、もう一つのバスケット用語を思い出します。「アウト・オブ・バウンズ」(out of bounds)。ボールを持つ競技者が、境界線を越えてコートの外に出たり、コート外の物体に触れたりすることです。この場合の bound は「境界」を意味します。

 さらに、おなじみ新幹線の英語アナウンス。
" This is a Hayabusa super-express bound for Tokyo."
「東京行きの新幹線『はやぶさ』です」
...この bound for~ は「~行きの」を表す慣用句。

 新型コロナの「感染拡大」を表す「リバウンド」から話がそれてしまいましたが、日本のみならず世界中で多くの犠牲者が出ている今日、この世に生きる一人として、1日も早く感染の終息を願わずにいられません。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)