コラム:クール・ビズ

 6月に入り夏の訪れとなりました。衣替えの季節。テレビの朝の出勤風景では、中・高生の夏服に混じって、おじさんたちの「ノーネクタイ」が目立ち始めました。菅首相をはじめ閣僚の皆さんも背広に開襟シャツで記者会見。いよいよ「クール・ビズ」の到来かと、ふと思ってしまいます。

 この「クール・ビズ」( COOL BIZ )は2005年(平成17年)、「涼しい」や「格好いい」を表す「クール」( cool )と仕事を意味するビジネス( business )の短縮形「ビズ」( biz )の組み合わせで、一般公募によって選ばれたもの。気がつけば、もう15年余りも昔の言葉になり、新鮮さが失われつつあるようです。

 そもそもクール・ビズは「夏場の軽装による冷房の節約」という環境省の啓発事業。各自が気温に応じた服装をするようになったこともあり、環境省は今年から期間の定めをなくしました。

 さて、上述のように business の短縮形は biz です。 bus では「バス」になるのでご注意。この biz を用いた語をいくつか紹介すると、 show biz(芸能界)、 music biz(音楽業界)、 biz school(ビジネス・スクール)。 business → biz は普通、「短縮形」「省略形」などと呼ばれます。

 初期の学習で出会う...
  I am → I'm
 do not → don't
 will not → won't   など。

 他に...
 January(1月)→ Jan.
 department(部署)→ Dept.
 Company,Limited(株式会社)→ Co.,Ltd.

 最後にフレーズ(句)で特に私の印象に残っているものを紹介しましょう。学生時代観たあるスパイ映画に A.S.A.P. という電文が出てきて、字幕には「できるだけ早く回答せよ」と。「できるだけ早く」as soon as possible という長い熟語です。生きた英語を学ぶには映画が最高です。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)