「Z世代」? 近頃、メディアにたびたび登場するこの言葉...「Z」とは何か? 何かの頭文字ではないか? そう思いながら調べてみたら、これはアメリカから渡来した言葉で、1990年代後半頃から2000年代終盤に生まれた世代を指すことが分かりました。現在、中学生から大学生ぐらいの世代です。
英語圏では1980年代初頭~1990年代中盤に生まれた世代を「Y世代」としています。これに加えて、カナダの作家ダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX』に由来するのが「X世代」(Gen X)。そして、これらX、Yに続くのが「Z世代」というわけです。
この世代の特徴を端的に言えば「デジタル・ネイティブ」( digital native )ということでしょう。つまり、高速インターネット、スマートフォンをはじめさまざまなゲーム機器、さらにはSNS( social networking service:ツイッターやインスタグラムなど)が当たり前のように存在する「デジタルワールド」に生まれ育ってきた世代です。
他の世代と比べ、膨大な情報を選択できる環境に置かれていることから、多様性を認め、その個性を尊重する価値観をもつ傾向にあります。また、社会問題に対して興味・関心が強いことも特徴です。
テニスの大坂なおみ選手はこのZ世代に属し、自分の日々の思いをSNSに発信し続けてきました。ツイッターのフォロワーは何と100万人を超えると言われています。このようなアスリートにとって英国貴族の社交に由来するテニス界は旧態依然な体質に映るだろうし、試合終了後に義務づけられている記者会見は窮屈なものに思えていただろうと想像してしまいます。ゆっくりお休みください、と大坂選手に声をかけたい気持ちです。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)