コラム:サーフィン

 東京五輪は8日の閉会式で幕を閉じましたが、様々な競技の中で特に私が興味を抱いたのはスケートボードです。街中や公園で若者たちが興じる遊びがオリンピックの競技種目に選ばれるとは、と疑問を抱きながらTV中継を見ました。

 それは大人の私の偏見を遥かに超えた技の競い合いであり、「国」を背負っていることを感じさせない自由でのびのびとした空気に満ちていました。しかも10代の若者が主役。転倒し悔し涙を流していた15歳の岡本碧優(みすぐ)選手に、居合わせた各国の選手が続々と近寄り抱擁、さらには肩に乗せて演技を称賛。岡本は泣きながらも笑顔に、という感動的なシーンもありました。

 同じように、「サーフィン」もこのたびのオリンピックで初めて追加になった種目。これは今や若者にとって夏のスポーツの定番と言えるものです。英語で surfing 、 surfin' と表します。 surf とは「海岸に打ち寄せる波」のことで、動詞として用いると「波乗りをする」という意味に。

 筆者には極めて縁遠いスポーツですが、ある映画が思い出されます。フランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』( Apocalypse Now、米映画1979年)。密命を帯びた主人公・ウィラード大尉が目撃する戦争の狂気の一つとして、空挺部隊の中佐がサーフィンをするために南ベトナム解放戦線の村を襲撃するシーンがあり、衝撃を受けました。

 また、インターネット時代の到来とともに「ネットサーフィン」という言葉が生まれました。 surf the internet 「インターネットをサーフィンする」...サイトからサイトへと「波乗りするというのは確かに軽快な気分にさせてくれます。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)