【水戸一志 選】
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深呼吸染み入るごとく春の雨 石巻市渡波／阿部昭壽
【評】書き出しの深呼吸がコロナ禍の欲求不満をにじませる。一方で、大地に糸を引くように降る春の雨。作者の心にも染みるような、季節の変わり目を告げる光景である。解き放される日を待ち望む、詩情と人情が交差する佳句。深呼吸がしたくなる。
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雪女大雪の日は出たくない 東松島市矢本／畑山講也
頭出し出番待ってる福寿草 石巻市大街道／岩出幹夫
地球には時限爆弾ひそんでる 東松島市小松／板橋弘
閉塞感相撲が救う十五日 石巻市蛇田／鈴木醉蝶
連合を嫁にほしがるライバル党 東松島市赤井／片岡シュウジー
認諾 笑っているよ悪いやつ 石巻市向陽町／佐藤功
よーく見て鬼にやさしい目が二つ 石巻市垂水町／かとれあ