連載「いんぐりっしゅ喫茶室」を再開します。
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ふとしたことから病気になり、市内の病院に入院、リハビリを受けることとなりました。担当の人も含めて数十名の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はいずれも20歳台。難関の国家試験を経て免許を取得した若者たちです。
若さ溢れる現場にまずびっくり。そしてそのエネルギッシュな仕事ぶりに驚嘆した次第。365日休みなし。年末年始もありません。元旦も朝の9時から。「回復したい1日も早くという患者さんがいる限り、休んではいられないのです」。担当する若者が語ってくれました。
さて、リハビリという言葉。英語の rehabilitate(リハビリテート)から来たのですが、さらに分解すると re-habilitate となります。re- はお馴染み「再び」、habilitate(ハビリテート)は「社会に適応できるよう訓練する。ability(アビリティ=能力)」と同語源であることが分かりました。
つまり rehabilitate は「元の状態に戻す」「社会復帰させる」その名詞形 rehabilitation(リハビリテーション)とは、単に訓練をさす言葉ではなく、障害をもった人が可能な限り元の社会生活をとりもどすことを意味します。それには機能訓練によって障害自体を軽減し、不自由さが残っても安心して生活ができるような社会を実現することが重要です。
人はそれぞれ「天分」つまり能力を手に握りしめてこの世に生まれてくる。その力を活かせる世の中であってほしい。ひと昔前までは「不具者」呼ばわりをされ社会の片隅に追いやられていた人びとが再び堂々と生きていく...リハビリの発展による変革は大きい。
療法士、看護師、介護士の皆さんの生き生きとした仕事ぶりは驚嘆に値します。5カ月間、お世話になりました。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)