コラム:メロディー 音楽の英語あれこれ

 安全地帯・玉置浩二が1996年発表した曲に「メロディー」というのがあります。当時人気を博していたTBSテレビ「筑紫哲也NEWS23」のエンデイング・テーマ曲で広く知られるようになりました。

 「メロ」という言葉は英語の melody に由来するものですが、これは古代ギリシア語 mélos「旋律」と ōid「歌唱」という二つの語が結合した melōidíā が語源とされています。

 「メロドラマ」( melodrama )は、「mēlos」と「劇」の意味の「drāma」が合成された語で、演劇形式の一つ。「誇張された状況設定やせりふをもつ通俗的な演劇。ヨーロッパで、中世から近世に行われ、せりふの合間に音楽を伴奏した娯楽劇」(精選版・日本国語大辞典)。

 「めろめろ」という語をよく見聞きします。意味は「物事におぼれて本来の正常な精神活動が行われなかったり腰くだけになったりするさま」(広辞苑・第7版)とあります。

 「メロ」についてはこれくらいにして、主な音楽用語を英語でどう表すでしょう。思いつくままに。
 楽 譜:musical score
 伴 奏:accompaniment 
 伴奏者:accompanist
 作 曲:composition
 作曲家:composer
 指揮する:conduct
 指揮者:conductor
 室内楽:chamber music

 「NEWS23」のエンディング・テーマ曲で筆者が最も心惹かれたのは、1989年に選ばれた井上陽水の「最後のニュース」です。当時問題になっていた様々なこと...人口問題、地球温暖化、大国の横暴、侵略など...これらを絵画的に歌ってみせた陽水の奥深さに魅せられました。その陽水と親しく、放送開始にあたって音楽担当を直接依頼したという筑紫さん。その穏やかな顔が、今も目に浮かびます。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)