コラム:「オランダ」は英語?

 8日から県美術館で「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が開催されるとのこと。代表作「窓辺で手紙を読む女」は初期の傑作として知られています。大規模な修復により背景の壁からキューピッドの画中画が姿を表したことが世界的な話題となりました。

 フェルメールは日本人好みとよく言われます。わずか30数点しかなく、しかも小さな絵ばかりなのになぜか? 僕なりに考えてみました。一つには静かであること。言い換えれば自己主張をしない。これが、かえって私たち日本人の感性に訴えるように思うのです。

 さて、オランダの事を「オランダ」と言うのは日本独自の呼び方です。なぜ日本でだけそういうかというと、オランダの呼称「 Holland 」(ホーランド)という呼び方のポルトガル語読み、 Holanda(ホランダ)が元になっていると言われています。Holanda(ホランダ)は戦国時代に来航したポルトガル人宣教師により伝わった名称。そのため日本では「オランダ」と呼ばれ、現在でもそれが続いているというわけです。

 英語でのオランダの正式名称は、 Kingdom of the Netherlands(オランダ王国)。 Netherlands(ネザーランズ)で通用します。 netherland とは「低い土地」に由来するとのこと。

 一方、英語より日本語の方が原語に近い例として「ドイツ」があります。ドイツ連邦共和国( Bundesrepublik Deutschland )、通称ドイツ( Deutsch‐land =ドイッチュランド)です。英語では Germany(ジャーマニー)と言いますよね。

 その国のことがどのように伝来したかによって呼称も異なるというわけで、その由来は歴史の勉強になります。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)