コラム:DX、ご存じですか?

 時事問題に詳しい友人がいます。毎朝4つもの新聞を読むのが日課とのこと。その彼が「最近、新聞紙上に躍るのはDXそしてGX。とても気になっている」とのメールをくれました。不勉強からか、僕にとって初耳です。とにかく調べてみました。

 DX は Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語。 Transformation は「変容」なので、そのまま訳すと「デジタルによる変容」となります。つまり、デジタル技術により生活やビジネスが変わっていくことを意味するのです。

 これは、スウェーデンのウメオ大学教授エリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念とのこと。

 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(経済産業省「DX推進ガイドライン」)

 面白いのは Transformation(トランスフォーメーション)という英語をXで表している点。交差を1文字で表す「X」が用いられているのです。確かに線が交わっています。

 trans には思い出があります。受験時代 trans のつく英語を必死で覚えたものです。こちらからあちらに運ぶ( port )ことから transport(輸送する)、言語と言語の壁を乗り越えて translate(翻訳する)、大陸を横切って transcontinental(大陸横断の)などなど。

 ちなみにGXは Green Transformation 。化石燃料などから太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーに転換。経済社会システム全体の変革を目指すことです。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)