コラム:アラートとミサイル

 去る4日午前、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射。東北地方の上空を通過しておよそ4600キロ飛行し、日本のEEZ(排他的経済水域)の外側の太平洋に落下したとみられています。また、ミサイル発射を受けたJアラート(全国瞬時警報システム)による情報発信が行われました。

 EEZとは? exclusive economic zone の略です。領海の外側に海岸の基線から測って200海里(約370km)までの範囲内で設定される水域。海洋資源に対する沿岸国の要求に応え、また水域内の海洋資源の確保をめざし、1982年の国連海洋法条約によって制度化されたもの。

 「Jアラート」とは? 「アラート」は英語の alert 。(空襲などの)警戒態勢のことです。

 The soldiers were on the alert.
 兵士達は厳戒体制にあった。

 A tsunami is coming, so please be on the alert.
 津波が来ますので注意してください。

 ミサイルは英語では missile と綴りますが、「飛ばしうるもの」を表すラテン語の mittere が語源。 an intercontinental ballistic missile (大陸間弾道弾)。

 ラテン語の mittere は「送る」を意味し、 mission (派遣任務=ミッション)や promise (約束、約束する)、 transmit (発信する)などの語源にもなっています。

 松島基地が近いせいか、自衛隊の訓練機がものすごい爆音とともに飛び交いますね。「訓練」と思いたいですが、Jアラートを考えると「もしかしたら」と一抹の不安が心をよぎります。

 たいへんな時代になったものです。 alert とは無縁の空を望まずにはいられません。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)