コラム:イベント

 去る10月23日、サン・ファン祭りが開かれました。歴史的建造物サン・ファン・バウチスタ号の保存をめぐっては「何とか現状のまま維持できないか」など議論を呼びましたが、県の方針に従う形で決着がつきました。

 石巻には「歴史」を探訪する場所や施設がほとんどありません。大人の来客がある時は決まって案内するのはサンファンパーク。それがこのサン・ファン祭りの後、しばらく closed とのこと。

 さて、「イベント」ですが、日本語ではもっぱら「行事」「催し物」として定着しています。これでいいのですが、元の英語 event には別な意味もあることはご存知でしょうか。例えば次のような場合。
  a recent event (最近の出来事)
  a sad event (悲しい出来事)
  a notable event (有名な事件)

 event の語源は「外で起きた事」などを意味するラテン語の「 ēventus 」です。「起きた事」「成り行きでやった事」から、「行事」「催事」「一試合」「一勝負」などを表すようになりました。このように前後の文脈によっては意味が変化する事が多いようです。

 仲間の言葉としては、eventual (結果として起こる、最後の)。
  one's eventual retirement (やがて来る引退)
  hope of eventual rescue (救出への最後の望み)

 繰り返しになりますが、日本の日常用語としては an annual event (年中行事)のようにもっぱら予定された「行事」としてお馴染み。この言葉に current events (時事問題)や、 the chief events of 2022(2022年の主な出来事)のような意味もあることを知っておきましょう。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)