コラム:米語と英語(下)

 前回に続き、単語の違いの主なものをあげていきます。

 1階: first floor(米)/ ground floor(英)。前回、flat のところで触れたように、以前イギリス人の翻訳を手伝ったことがあります。その時どうも馴染めなかったのが、この ground floor 。「一階」なら first floor でいいではないか。でも ground floor にも一理ある。一階は地面( ground )に直結している。しだいに ground floor がいいように思えてきたのです。

 地下鉄: subway(米)/ underground(英)。イギリスを旅した時のことが思い出されます。ロンドンをはじめ大きな街の地下鉄の表示は、全て underground 。 subway の方が短く分かりやすいのにと思いながら乗った記憶があります。もっとも、 subway はイギリスでは「地下道」を意味することもあるらしいのです。

 ガソリン: gasoline(米)/ petrol(英)

 電話する: call(米)/ ring(英)

 休暇: vacation(米)/ holiday(英)

 映画: movie(米)/ film(英)

 エレベーター: elevator(米)/ lift(英)

 単語が同じでも綴りが違うこともあります。

 色: color(米)/ colour(英)

 中心: center(米)/ centre(英)

 灰色: gray(米)/ grey(英)

 劇場: theater(米)/ theatre(英)

 気に入った: favorite(米)/ favourite(英)

 戦後生まれ筆者は「アメリカ英語」の洗礼を受けてきました。(米)の方が親しみやすい。でも(英)に感じる「憧れ」のようなものがあります。言葉の不思議というものでしょうか。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)