コラム:ウサギ

 ウサギを表す英語には二つあるのをご存知でしょうか。

 おなじみ「ウサギと亀」の話を中学時代に英語で読み、忘れられません。題名は、確か " Hare and Tortoise " だったと記憶しています。 hare は「髪の毛」の hair と発音がまったく同じです。 tortoise の方が綴りも発音もややこしい。

 もう一つのウサギはお馴染み rabbit です。小学生の頃でしょうか。 " Rabbit " という名のスクーターを通りでよく見かけたのを覚えています。

 hare と rabbit の違いを調べてみました。 hare は「野ウサギ」でウサギ類の総称。普通 rabbit より大きく、あと足・耳が長く、穴居性がない。生まれたての時から毛で覆われています。 rabbit は小型で穴居性があり、生まれた時は毛が生えていません。「飼いウサギ」「家ウサギ」と呼ばれます。

 同じことは「亀」にも言えそうです。 tortoise と turtle の違いは何でしょう。 turtle は「タートルネック」でお馴染みですね。「トータスネック」とは言いません。調べてみると tortoise は「陸生のカメ」と出ています。カメは海に生息するもので、陸にいるのは珍しいとのこと。

 さて、イソップの寓話(ぐうわ)「ウサギと亀」は Slow and steady wins the race. が教訓として語られています。 Slow and Steady とあるので「亀」に軍配が上がるようですが、僕たちは tortoise と hare の両面を持っているのではないでしょうか。時にはウサギのように飛び跳ね、時には亀のようにノロノロ歩く...

 Hare and tortoise の話には、今でも魅せられ教えられます。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)