コラム:waiting room

 列車が来るまで数十分あります。駅まで早く来すぎたようです。そう思って腰掛けるのが待合室のベンチ。

 改札が始まるまでの時間、考えました。「待合室」って英語でどう言うのだろう。待合室は「待つための部屋」と解釈できるから、 room for waiting では? そうすると waiting room という2語が生まれます。

 「待合室」を辞書でしらべると確かに waiting room と出ています。また、 waiting は動詞 wait の動名詞形ということも知りました。 forは「ための」「用の」といった前置詞です。

 こうしてみると、次のような言葉が生まれます。
  pool for swimming 「泳ぐための水溜まり」 swimming pool プール
  table for dining 「食事のためのテーブル」 dining table 食卓
  stick for walking 「歩くための杖」 walking stick 歩行杖
  water for drinking 「飲むための水」 drinking water 飲料水
などなど。

 では、これはどうでしょう。

 walking dictionary

 言葉に限らず何でも知っている人のことを「歩く辞書のような人」と言うと習いました。でもこれは dictionary for walking と解釈できません。 walking は dictionary を修飾していると考えられます。

 この類に属するのは次のようなものです。

 a sleeping beauty 眠っている美女
  おなじみ「眠れる森の美女」の原題は Sleeping Beauty となっています。

 a barking dog 吠えている犬
  犬にはいろいろありますが「吠える専門の犬」というのはないでしょう。

 ing形というのは面白いものです。いろいろと試してみるといいでしょう。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)