【水戸一志 選】
受験生冬乗り越えて春になれ 東松島市矢本/菊地和子
【評】受験シーズンまっただ中。本人も家族も、先生たちも、緊張のピークを迎えていると思う。この句の受験生は誰というより、不特定多数。寒さの中で深夜まで机に向かって勉強している15の春から大学受験浪人まで、その若さに贈るエールと読める。
電気料届き一枚厚着する 石巻市湊/小野寺徳寿
寒鱈のあら汁父の顔浮かぶ 東松島市大曲/川田ふみ子
わがピアノ流されてはや十二年 石巻市八幡町/松川昭子
道化師になって残りの道を行く 石巻市のぞみ野/阿部佐代子
半分の顔でもわかるコロナの世 東松島市矢本/畑山講也
教訓を生かせぬ日本今もなお 石巻市大街道/岩出幹夫
議論どうあっても日本傘が要り 石巻市あゆみ野/日野信吾