2022年度の「石巻かほく」川柳の最優秀賞が東松島市矢本の菊地和子さん(62)に決まった。菊地さんは初受賞。優秀賞には東松島市赤井の片岡シュウジーさん(80)と石巻市桃生町の佐藤俊幸さん(72)が選ばれた。選者の水戸一志氏が選考した。
■ 受賞者の声/菊地さん「週1回投稿、目標に」
受賞は最初で最後だと思いますが、うれしいです。
かつての職場の先輩の投稿句を石巻かほくで見たのがきっかけで2021年9月に川柳を始めました。その時々に感じたことやひらめきを17文字で表す点が魅力です。
週1回の投稿を目標にしています。人々に勇気を与えるスポーツから作句のヒントを得ることもあります。句が掲載されると知人から声を掛けられ、励みになります。これからも毎週、作品の投函(とうかん)を続けます。
■ 選者から/水戸さん「身の回りの変化見逃さず」
年間成績は入選句の得点(佳作1点、◎2点)の累計を基本にした。ただし、最優秀賞は過去3年の受賞者を対象外にしている。
菊地和子さんは女性の最優秀賞第1号。休まず投句で累計点を積み上げた。
印象に残る句に、「寂しいなアサガオ孫と学校へ」「溝がへりお疲れ様のタイヤくん」など。身辺の小さな変化を見逃さない日常句に豊かな表現力がある。
優秀賞の片岡シュウジーさんは前年度チャンピオン。時事川柳に独特の入射角を持つ。「約束の1+1を引くロシア」「連合に峰打ちされた反自民」などが光る。
同じく優秀賞の佐藤俊幸さんは当欄ニューフェイスで、言わば新人賞。「なぜ戻る毛虫一匹忘れもの」をはじめ、農を舞台の句に味がある。