2022年度の「石巻かほく」俳句の最優秀賞が石巻市相野谷の山崎正子さん(90)、優秀賞が石巻市蛇田の石の森市朗さん(80)と仙台市青葉区の狩野好子さん(72)に決まった。山崎さんは18年度以来、2度目の最優秀賞受賞となる。選者の石母田星人氏が選考した。
■ 受賞者の声/山崎さん「追悼句、詠み続ける」
驚きました。本当に光栄です。季語を決め、連想される言葉を並べて高めていくという石母田先生の教えを実践しています。感謝の思いでいっぱいです。
石巻かほくの俳句欄ができた16年に投句を始め、今は仲間と月1回、作った句を批評し合います。石巻市の日和山によく出かけ、見たもの、あったものを作句に生かすことが多いです。東日本大震災を忘れないためにも追悼句を詠み続けたいです。
■ 選者から/石母田さん「空間把握、大きさ魅了され」
本年度も多くの皆様の句で活気ある俳壇になった。感謝したい。今回も1年を通して投句していただいた人の中から選ばせてもらった。
最優秀賞は山崎正子さん。<たたかひの空を遥かに春田打つ><鐘の音の長き尾のあり走り梅雨><冬木みな意中の星のありにけり><どの歌碑も海鳴り潜む小六月>など、空間把握の大きさに魅了された。
優秀賞の石の森市朗さんは<麦秋や大地のどこか水流れ><捨案山子戦火のやうな茜雲>などの意欲的な作品が目立った。
優秀賞の狩野好子さんは震災で仙台への引っ越しを余儀なくされた。<滴りの音にひかれて足早に><冴わたる皆既月蝕祈りかな>などが光った。
また受賞の候補には、三浦ときわさん、伊藤春夫さん、水上孝子さん、西條弘子さん、佐藤久嘉さん、川下光子さん、佐藤いさをさん、高橋牛歩さん、大槻洋子さん、佐々木一夫さんらが残った。