コラム:動物の子供

 よく知られた童謡を英語に訳してみよう...その過程で出会ったのがお馴染みの西洋の歌です。真っ先に浮かんだのが「子犬のワルツ」。ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1は、フレデリック・ショパンが作曲したピアノ独奏のためのワルツで、晩年の1846年から1848年にかけての作品。

 「子犬」をどう表すかで悩みました。「小さな犬」と考えれば簡単ですが(それが正しいと思いますが)、どうしても「犬の子」が捨てきれないのです。

 それは、英語の授業で習った「動物の子」です。日本語では「子」をつければほとんどの子供は表せます。「羊の子」なら「仔羊」、「猫の子」なら「仔猫」などなど。

 ところが英語は違います。主な例を挙げれば、
  kid   ヤギ goat の子供
  calf   牛 ox の子供
  colt   馬 horse の子供
  puppy  犬 dog の子供
  bunny  兎(うさぎ) rabbit の子供
  lamb  羊 sheep の子供

 「肉食の思想」(鯖田豊之 中公新書)に次のような下りがあったのを記憶しています。

 ある時、大勢の会食の席であるお嬢さんが豚の頭をフォークで突きながら、「食べられる為に生まれてきたのだから」

 いかに食文化が欧米化になったとはいえ、このような考えにはついていけません。皆さんはどうお考えですか。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)