【水戸一志 選】
老骨に鞭打つ時はまだ青春 石巻市吉野町/伊藤春夫
【評】川柳界は高齢化が進むが、気持ちだけは若く保ちたい。我が身の老いを受け入れながら「まだまだ」と言い聞かせている作者は立派である。ただ、投句に作者の年齢記載がないのは困る。まだ若い人の世相観察の句である可能性もあり得るから。
花粉症言葉も飛んでいくくしゃみ 東松島市野蒜ケ丘/高橋すげ子
焼きいも車少しスピード落としたら 石巻市中里/津田つね子
何よりも丈夫で長持ちする老後 東松島市矢本/後藤新喜
全身をアンテナにして過敏症 石巻市桃生町/佐藤俊幸
老脳を奮い立たせて投句案 石巻市蛇田/鈴木醉蝶
手鏡をきれいに拭いてシミ発見 石巻市蛇田/大山美耶紀
鏡から貰った笑顔持ち歩く 石巻市あゆみ野/日野信吾