コラム:よその国

 お馴染みの童謡を英訳してみよう...このようなことから始まったのですが、いざやってみると様々な困難があります。その一つが「よその国」。

海にお船を
浮かばせて
行ってみたいな
よその国

 日本語で読むかぎり、なんの疑問もありません。しかし「よその国」を英訳しようと思うと、これがなかなかできないのです。「日本以外の国」と単純に考えれば、外国でしょう。「外国」に当たる英語は foreign country です。「外国人」は foreigner ですね。

 余談になりますが、 stranger にも「外国人」の意味があることを知りました。

 1966年にフランク・シナトラが歌って有名になった「夜のストレンジャー」( Strangers in the Night )。もう50年以上も前になりますが、この歌のおかげ(?!)で、いつしか私に「ストレンジャー」というあだ名が付いたのを覚えています。動作が奇妙( strange )だったのか日本人離れしていたのか、外国人からも stranger と呼ばれた記憶があるのです。

 stranger には「外国人」という意味もあると言いましたが、どちらかと言うと「異人」に近い感じがします。「異人」の方が「外人」より夢があるような気がするのです。

 話を「外国人」に戻しましょう。「外人(ガイジン)」という言葉はあまり使いたくありません。実際「ガイジン」と呼ばれるのを嫌う外国人も...

 一つの表現と出逢いました。" non - Japanese "です。「日本人ではない」ですから「外人」よりは穏やかです。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)