コラム:ベースアップ(上)

 A社は1割、B社は1割5分、C社は1割7分...春闘(直訳すれば spring wage offensiveb 。メディアではもっぱら annual wage talks など)のかいあってか、大企業は軒並み給料のアップを発表しました。波及効果が中小企業にもおよぶことを念じます。

 門外漢の私はこの「ベースアップ」を調べてみました。

 給与の基本給部分(ベース)に対しての昇給額または率。和製英語( base up )であってベアと略されることが多いようです。職務給が採用されている欧米には存在しない概念。

 「ベース」というと真っ先に浮かぶのが、日本中を興奮の渦に巻き込んだあのWBC( World Baseball Classic )。なぜ Classic なのかはいずれ論じることにして、ここでは baseball という言葉に注目したいと思います。

 ご存知の通り、baseball は base + ball で base(塁)を取る競技です。それを「野球」としたのはどのような経緯からか...非常に興味があります。

 野球というと「正岡子規」の名前が浮かびます(「打者」「走者」「四球」「直球」「飛球」などを世に広めた)が、「野球」と命名したのは別な人物のようです。

 中馬 庚(ちゅうま・かなえ)。1870年3月10日~1932年3月21日 薩摩国鹿児島出身 第一高等学校を卒業。「 Ball in the field 」という言葉を元に「野球」と命名し、テニスは庭でするので「庭球」、ベースボールは野原でするので「野球」と説明した。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)