【水戸一志 選】
夏が来る戦終わらず目が潤む 石巻市渡波町/小林照子
【評】ロシアとウクライナの戦争は2度目の夏を迎えても終わる兆しが見えない。作者には原爆と終戦の日本の夏が重なるのだろう。「戦争は二度とごめんだ」を合言葉にしてきた世代である。侵略を想定した防衛力という昨今の国内情勢にも不安がよぎる。
寒暖の差がこたえます五月晴れ 石巻市桃生町/佐藤あき子
運動会応援団も走りそう 石巻市垂水町/かとれあ
鏡拭く自分を好きになれるまで 石巻市あゆみ野/日野信吾
剪定の枝が伸びれば背が縮む 石巻市小船越/伊藤千枝子
蕨採り下から上へ目を凝らす 石巻市新館/高橋豊
電気料執行猶予短すぎ 東松島市あおい/添田潤
G7広島の空鉛色 石巻市開北/安住和利