映画『砂の器』を久しぶりに観ました。遍路姿の親子...苦難の旅です。途中、子供が密かに目にするのが運動会のシーン。泣けてきます。
運動会って英語で何というか。athletic meet とあります。 meet は「会う」。基礎的な動詞ですが、名詞に使われるのは極めて珍しい。 athletic meet は「体育祭」に近いものに思えてくるのです。
町や村をあげての一大イベント、それが運動会でしょう。もちろん主役は子供たち...だけど、親たちや来賓のおじさんたちも様々な演目に興じる...。
「運動会」は athletic festival と表したくなります。「フェスティバル」はお馴染みですね。「まつり」は「祀る」の名詞形。神に物を献上したり祈りを捧げること。
festivus 、このラテン語が festival の源となった言葉です。「宴」が元々の語義。似た言葉にスペイン語の「フィエスタ」( fiesta )、イタリア語の「フェスタ」( festa )などがあります。
「カーニバル」( carnival )については carne vale (カールネ バーレ)「肉よ( carne )、さらば」という説が。復活祭(イースター)の前にキリスト教徒は懺悔(ざんげ)をして肉を絶つ。苦行の前に肉を食べお祭り騒ぎをする。「謝肉祭」の意味は何となく分かります。
日本の風習に似ていませんか。夏祭りはお盆前に行われます。盂蘭盆(うらぼん)は祖先の霊に祈りを捧げ、自らを顧みる厳粛な期間。その前に美味しいものを心ゆくまでいただく...。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)