コラム:学芸会とネズミ

 前回は「運動会」を取り上げましたが、学校行事で、もう一つ忘れてならないものに「学芸会」があります。その中身はお芝居です。1年生から6年生までそれ相当の出し物が繰り広げられます。

 僕の思い出は『ネズミの嫁入り』の父さん役で「出演」したこと。出典は分かりませんが、とにかく人気の演目だったのでしょう。羽織袴の姿で舞台に立ちました。

 ネズミ( mouse )はディズニーの絵ですっかりお馴染みになりましたが、変わった複数形を取ることをご存知でしょうか。

 mice です。

 マザーグースの歌にこんなものがあります。(一部)

 Three blind mice.  (3匹の盲目のネズミ)
 See how they run. (走る姿を見てごらん)

 もう一つ、頭から離れない諺(ことわざ)があります。

 While the cat is away, the mice will play.
 (猫がいないとネズミが跳ね回る)- 英語版「鬼の居ぬ間の洗濯」

 もう一つネズミを意味する言葉があります。 rat です。これはドブネズミなど大型のネズミのこと。猫が追うのは mouse で、犬が追うのは rat という解釈もあります。

 rat には次の表現があります。

 Rats leave a sinking ship.
 (ネズミは沈みそうな船をいち早く見捨てる)

 ちょっと悲しくなるような言葉ですが、これが現実ですね。諺は人間社会のありのままの姿を表しています。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)