【水戸一志 選】
ため息はつきたくないね辰の年 石巻市向陽町/夢香
【評】とにもかくにも新年である。何でもよいから明るい希望につながるものが欲しい。元気になりたい。コロナ以来のため息など、もうたくさんだ。元日付の本紙第2朝刊は、そんな願いに応えるようなメニューがぎっしりだった。広告も竜に乗っていた。
すぐ消えた夢で当たった宝くじ 石巻市西山町/藤田笑子
札束を積まれいらない人はなし 石巻市のぞみ野/阿部佐代子
辞書調べ書いた川柳ボツ多し 石巻市桃生町/佐々木カヨ子
まだ妻に更迭されず三食中 石巻市向陽町/佐藤功
戦などしてる場合か沸騰中 石巻市流留/和泉すみ子
ほどほどに事は済ましてカラオケへ 石巻市桃生町/佐藤俊幸
夢多しまだ青春の喜寿の春 石巻市あゆみ野/日野信吾