コラム:ことわざから学ぶ

 最近、ことわざに凝っています。英語の学習に最適です。日本語との対比という点でも。

 英語のことわざというと浮かぶのは Time and tide wait for no man. です。なぜか分かりませんが授業で先生が紹介してくれました。「歳月、人を待たず」という日本語に相当します。「待たず」と「待つ」の否定を「無人を」とするところが面白いと思います。

    He has no brothers.
    彼には兄弟がない。(無の兄弟がある)

    I can walk no further[ farther ].
    もうこれ以上歩けない。

    Long time no see!
    久しぶり!

    See no evil, hear no evil, speak no evil.
    見ざる、聞かざる、言わざる。

    No news is good news.
    便りのないのはよい便り。( no news というところが日本語に近いかも)

 「溺れるもの藁をも掴む」は次のように英訳されています。

    A drowning man will catch at a straw.

 drown という動詞、あまり見かけませんが、「ドロウン」ではなく「ドラウン」のように発音。

 will catch at の will は「だろう」という未来を示すのではなく「~ものである」という習性を示す。

    Oil will not mix with water. 油は水と混ざらない。
    Accidents will happen. 事故は起きるものだ。

 catch ではなく catch at とするところが面白い。 A drowning man will catch a straw. だと、溺死した人はみんな藁(わら)をつかんでいるということになります。

 藁は straw 。「ストロー」はお馴染みですが、もともとは「藁」なのですね。

 身近なものから学べることって、けっこうあります。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)