投稿より 「夫の一日」

 夫(72)は毎日とにかく忙しい。私がパーキンソン病のために体が動かないので、家事全てを一人でこなしている。

 朝食は、具だくさんのみそ汁にデザートまで付いてくる。洗濯、掃除、私のベッドメイキング、ポータブルトイレの始末と嫌なことまでやってくれて、感謝しても感謝しきれない。

 本人にありがとうという言葉を私はなかなか言えない。こんなに何でもやってくれる旦那さまはいないよと、周りから言われる。よく分かっているのだが、気持ちがねじ曲がっているのか、素直になれない。

 とても申し訳ないと思う。好きな俳句を作ったり、短歌を作ったり、自分の趣味をさせてもらっている。ありがとうという言葉しかない。反対に文句ばかり言ってしまう。何でこんなにうるさいんだろうとか。

 何という愚直な人間なのだろうか。紙面を借りて言います。ありがとう。ごめんなさいね。これからもよろしくお願いします。

 私の苦手な性格は直らないんでしょうね。

 俳句も < 真夜中の夫の掃除機さえかえる > などを作り、新聞に載ったこともある。私はいつも夫の気分を悪くするような言葉を言ってしまう。いつも地雷を踏んでしまう。

 愚かなる自分の中のもがりぶえだ。

 結婚して46年。震災やら病気やらさまざまなことがあった。紆余(うよ)曲折の人生を生きていられるのは夫の支えがあるからだと思う。人間万事塞翁(さいおう)が馬。これからはそんな気持ちで生きていきたい。

(山崎清美 66歳 東松島市野蒜ケ丘)