春の小川は さらさらいくよ
岸のすみれや れんげの花に
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら
In spring the brook murmurs
To the violet flowers
Be elegant and vivid in color
Bloom, flowers, bloom (拙訳)
「小川」は英語でどう表すか...意外と難しいです。「川」は river 。では「小川」は small river かというと、そうは言いません。別な言葉があるのです。冒頭の「春の小川」で紹介した brook という語です。
wade a brook
(小川を歩いて渡る)
He jumped clean over the brook.
(彼はその小川をひとまたぎに飛び越えた)
だいぶ前になりますが、私はヨーロッパ一周の旅の途中、大学で名高いイギリスのオックスフォード( Oxford )を訪れました。チャーウェル( Cherwell )とテムズという二つの川が合流する場所に位置しています。 Oxford という地名は浅瀬のため牛の渡し場があったことから「雄牛たち( oxen )」が渡ることのできる「浅瀬( ford )」という意味で Oxford と呼ばれるようになったとされています。
The stream is so swift that we can not ford it.
(流れが急で徒渉することができない)
A child on your back may guide you across a ford.
(負うた子に教えられて浅瀬を渡る)
ford という言葉はイギリスの地名によく見られます。シェークスピア( Shakespeare )のふるさとストラトフォード・アポン・エイヴォン( Stratford-Upon-Avon )もその一つでしょう。この町を流れる Avon川でボートに乗ったことが昨日のことのように思い出されます。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)