コラム: お墓の話

 お盆。先祖の墓参りに出かける方も多いのでは。

 英語はどちらかというとキリスト教の文化圏ですが、お墓に関しての言葉があります。探ってみましょう。

 grave (グレイブ)は一般的な「お墓」を表す語。埋葬される穴のことで日本語の「お墓」はこちらの単語になります。

 tomb (トゥーム)は墓石や墓標のこと。埋葬された穴の上に立つ建造物を指します。映画にもなった Tomb Raider (トゥーム・レイダー)でおなじみ。

 「墓石」は英語で tomb stone (トゥームストーン)や grave stone といいます。日本の墓石はたいてい四角形で黒やグレーが多いですが、キリスト教を信仰する国や地域では十字架の形をした墓石が一般的。また、わが国の場合は故人の名前と命日が刻まれているのに対して、海外の墓石には人となりや実績を刻む場合もあります。

 「お墓参りに行く」を英語で表現してみましょう。

   My family and I went to visit our grandfather's grave every year in mid-August.
  (私の家族と私は毎年8月の中旬に祖父のお墓参りに行きました)

 最近「墓じまい」という言葉を頻繁に聞きます。英語で表してみましょう。dismantle a family tomb が適当かもしれません。 dismantle は「取り壊す」という日本語に相当します。

 洋の東西にかかわらず誰しもがお世話になるお墓です。お彼岸を機に関心を持ちたいものです。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)