月に一度、同じ町内の理髪店に行きます。ご主人が同級生で何かと話が弾みます。
ふと気づきました。あの3色の灯りは全国共通かと。いや、ひょっとしたら世界共通ではないか。確かイタリアでも見たことがあるのです。だいぶ前、イタリアを旅した時、あの灯りを目にした記憶が。
調べてみました。
床屋の店先にあって、くるくる回る看板。名前は「有平(アルヘイ)棒」です。明治改元とともに入ってきたヨーロッパの風習の直輸入といえる造型看板です。赤・白・青のらせん状としたこの標識の歴史は古く、昔の西洋では理髪師を兼ねた医師の看板であったもの。
また、次のような記載があります。
「 barber は、もともと髪の毛を切らずに beards(顎ひげ)だけを切った。 beard はラテン語の barba(顎ひげ)からきている。しかし、ひげを伸ばさないようになって、バーバーの仕事に髪の毛を切ることが加わっても、その名は変わらなかった」
「 barber はギリシア人が異民族を呼んだ言い方。もとになったバルバロスは『意味のわからない言葉を話す人』の意味で、ギリシア人が自らをヘレネスといったのに対し、異国人を指していた。次第に侮蔑的な意味を込めて奴隷などをも意味するようになった」
学生時代に歴史の授業で習った言葉がこのように奥の深いものであったことは驚きです。私たちは心すべきですね。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)