岩波新書のカラー版が発売となり、すぐに求めました。美術評論家の高階秀爾の筆になる「名画を見る眼」が装いも新たに出たからです。ページをめくると2番目に現れたのがイタリア・ルネッサンスを代表するボッティチェリの「春」。何年か前、イタリアを旅してフィレンツェのウフィツィ美術館でこの絵を目にした時の感動は忘れられません。春の森に集う古代神話の神々を描いた作品で、華やかで繊細な表現が特徴です。
さて、英語で「春」はご存知 spring 。これが「バネ」や「泉」という意味でも使われます。
spring については次の一節を繰り返し覚えました。
If winter comes, can spring be far behind? (シェリーの詩から)
イギリス詩人シェリーが詩で表現した一節です。困難な状況の中でも希望を見出すという意味が込められています。
また、忘れられないのは、
Spring is just around the corner.
春はすぐそこだね
学生時代、この文章を繰り返し覚えたものです。 around the corner というのが可愛らしくて。
いい文章を暗誦すること...これが英語に限らず外国語を身につける Golden rule だと私は信じてやみません。その場合、いい文章や句を選ぶことが大事だと思います。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)